超神記 十合ヒロシ作(SF 186頁)
バイテク企業が世界経済を支配する21世紀中葉、世界人口は100億を越え、食糧危機に喘ぐ第三世界と先進諸国は、生物兵器と核兵器で対抗し一触即発の危機状況にあった。業績不振のジーンメディカル社が、社の存亡をかけて新製品開発に取り組んでいたとき、遺伝子ハンターが、地下洞窟に住む「神の民」の希有な遺伝子を持ち帰った。一年間の膨大な実験研究により、ついに神経シナプスの生成及び活性電位を飛躍的に増大する天才遺伝子「ニューロゲン」が製品化された。「ニューロゲン」は爆発的な売れ行きを示し、国民の80%にまで浸透した。哲学者ノエ・ザメルが創始した「超神哲学」―人間自らによる神を超える進化―の実現を自分の使命と感得した遺伝子学者キャラハンは、意識―量子場共鳴転移を生じさせる人工遺伝子を開発、事象の生起確率を操作できる量子脳を創成し、さらに量子脳発現遺伝子を組み込んだ自分自身のクローン「ノヴァ」を誕生させた。主席行政官ジェンセンは、生物兵器に対する究極の防衛手段として量子脳クローンの大量生産を計画し、キャラハンにノヴァの国家移管を含む軍研究への協力を強要した。キャラハンとノヴァの運命やいかに?






